社長(増田)がジャンルにとらわれず不定期に更新していきます

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30年ぶりの世代交代

2024年9月

 1995年9月10日、新工場の竣工を祝し、その日を創立記念日と定め、その祝いの席で父が会長に、そして私が社長に就任した。つい昨日のように、艶やかに記憶に残っている。しかし、光陰矢の如し・・信じられないが、あの日から30年の月日が流れた。
 今年は創業から数えること220年。一昨年「設立100周年」を祝ったばかりだが、今年もまた節目の年なのだ。この記念すべき年の創立記念日を以って、社長職を息子に託し、私は会長職に就くことを決めた。30年ぶりの世代交代ということになる。
まだ早いのでは?というお言葉を頂戴することもあるが、若い世代に経営の練習をさせることも私の仕事の一つと思い決めた次第。しばらくは後方支援という形でサポートすることになるので、よろしくお願いします。

 私の在任期間は、「品質」と「人質(ジンシツ)」と「システムの質」の向上を目指し、改善に明け暮れた30年間だった。すなわち、「QC活動」と「5S活動」、そして「ISO9001」の三つを融合させた活動で、近年やっと『MASUKO TQM「心」の活動』という名のもとに完成の域を迎えようとしている。その心は「仕事を通して幸福を創造する」というもので、「今よりもっと良くするためにはどうしたらよいか」を追求し続けた結果、「人は何のために仕事をするのか」という根源的な問題に偶然辿り着いた。

 仕事をしていて幸せを感じるとき、仕事をしていて嬉しかった時・・それは人から認められた時、褒められた時、感謝された時、今までできなかったことができるようになった時・・すなわち「成長を実感できた時」と云い換えることができる。人から認められ成長を実感するためには、去年より今年、今年より来年と、少しでも自分が成長することが求められる。そう、この活動のキーワードは「成長」なのです。
 成長するためには、来年のありたい自分を具体的に創造し、PDCAを回し、目標を達成し、成功体験を積み、自らを進化させることが重要。自分が「成長」することにより、仕事に深みが増し、人からも認められるようになる。全員がそのように成長できれば会社も必ず成長できる。「一緒に成長し、共に幸福になろう!」という活動なのだが、これらの活動は「生みの苦しみ」が大きく、Try and Errorの連続だった。
 三歩進んで二歩下がるうちはまだ良い方で、大きな壁にぶち当たり動けなくなることもあったが、これらの活動は「続けているうちに漢方薬のようにジワッと効いてくる」ものなので、とにかくいつも右肩上がりを目指して続けてきた。
 新社長も「この活動は絶対に継続する」と言っているので頼もしく思うが、私から見ると「活動に籠める思い入れ」がまだ弱いのが気がかりだ。この手の活動は思い入れの強さが結果を大きく左右するからだ。
ついつい口を出したくなるが、極力黙って見守る。それが「次代に託す」ということだろう。我慢だ!

 最後に・・30年間の社長人生に悔いなし。そして長い間お客様や協力会社の皆さん、社員の皆、そして50年共に歩んでくれた恋女房に支えられ、何とか今日を迎えることができました。これを以て一線を退きますが、今後とも新社長並びに社員の皆々に対し、よろしくご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。本当にありがとうございました。

増田幸也

※「社長の独り言」コーナーについては、新社長から、もうしばらくは続けて欲しいといわれたので、
「会長の独り言」と改名し続けることにします。悪しからずご了承ください。