先日「日本に生まれただけで幸せだと思いなさい」というくだりのチラシを見かけた。日本は “自由“ が過ぎて、この国に住まう国民は“自由のありがたみをわかっていない!“と訴えていた。
今、世界のあちこちで戦争が行われ、無益な殺し合いを続けている。専制主義と民主主義の戦いという構図だが、この違いがどれほど大きなものかを分かっていない国民が多すぎる。だから平和ボケだと揶揄されるのだ。
専制主義国家では、自分の意見すらまともに言えない。言えば思想を疑われ拘束される。ロシアではウクライナ戦争を「特別軍事作戦」と称し、驚いたことに「戦争」という単語を口にすると懲役7年、「戦争反対!」と公言すると懲役20年が課せられるそうだ。ばかばかしくて相手にする気にもならないが、これが現実だと思うと「日本に生まれてよかった」と心から思う。友人と本音で話すこともできず、大学教授が「日本はいい国だ」と言えば、生徒から密告され逮捕されるという話を聞いた。正にこの世の地獄だ。日本では「言論の自由」のもと、基本何を言っても罰せられることはないが、これがどれほど貴重なことかを最近身にしみて感じる。
それだけではない。飢えて死ぬこともなく、たとえホームレスの人でさえ医療が受けられるなんて国はそうそうあるものではないし、救急車を呼んでも「無料」と言うとびっくりする外国人が多い。アメリカで救急車を呼べば5万円、オーストラリアに至っては10万円請求されるというから驚きだ。それ以上に救急医療体制がない国も多く存在するのだから、そう考えると日本は天国だ。
こんなに素晴らしいところもある国なのに、相次ぐ「政治不信」で国民の政治離れが加速している。しかし、こういう時だからこそ国民は政治に関心を持ち、清き一票を手に投票所に行くべきではないだろうか。
「自由」であるためには「責任」が求められる。投票に行くことは、今の日本国民に求められている「責任」ではないだろうかと、私は思う。