社長(増田)がジャンルにとらわれず不定期に更新していきます

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9年ぶりの御嶽山登頂

2023年8月
頂上奥社のご神体
頂上奥社のご神体

 毎年この時期は、木曽の御嶽山に行くのが恒例行事となっている。2014 年 9 月に起こった大噴火で 60 人もの 方が亡くなったあの日、当社は社員旅行で下関に居た。 そもそも行き先を下関にしようか御嶽山にしようか迷っ た挙句、その年は下関、翌年は御嶽山にすると決めたこ とが命拾いに繋がったと思っている。御嶽山に行ってい たら、あの噴火の瞬間(9/27、12 時)、社員全員が山頂 にいたことになる。今考えても鳥肌が立つ。
御嶽山の頂上奥社に祀られているご神体(後白河法皇像)は 160 年ほど前、3 代増田安次郎がご奉納したもの なので、当社にとっては大切な存在なのだ。そのご神体 が会社を守ってくれたと思っている。(社⻑の独り言の 2014 年 9 月「御嶽山噴火」、2015 年 8 月「御嶽山の奇跡」に詳細を記述している)

 今年も9月に行こうと思っていたが、9 連休の夏休みにも飽きたせいか 突然「今夜行こう!」と思い立ち 8/18 夜 7 時に出発した。中央高速を名古屋方面に進み、伊那インター チェンジから権兵衛峠を抜け中山道へ。大滝村を通過し、目的地である田ノ原登山口に到 着したのは午前2時、車中泊で仮眠をとった。噴火後 9 年経った今年、ようやくこの田ノ 原から頂上奥社まで行けるようになったのだ。私にとっては 16 歳の頃から約 50 回の登山 を重ねた馴れた道なので一人でも不安はない。

3067m山頂
3067m山頂

 午前 6時に起床、ちょっと腹ごしらえをし、身支度を整え 7時に登山開始。今日は登山日和だ。2 週間ほど前に息子と社 員数名が登頂しているが、私はいつも一人で来ることにして いる。先祖がどのような思いでご神体を奉納したのか、数百 キロはあろうご神体をどのように山頂まで引き上げたのか。 聞き伝えによれば、川口で作った像を甲州街道と中山道を荷 馬車で移送し、木曽福島辺りから 300 人の剛力が 3 ヶ月かけ て山頂に引き上げたらしい。そんなことを考えながら歩を進 めていると、間もなく第一の関門である「剣が峰」に到着。 いつもならここで一休みするところだが、今日は快調。休む ことなく通過した。この先の「八丁ダルミ」を通過し頂上奥 社に向かうが、ここで多くの方が命を落とした場所であるこ とを意識し、今も発見されていない方々のご冥福を祈りなが ら登頂した。登山開始して 3 時間半。


眼光鋭いご神体
眼光鋭いご神体

一昨年復元されたご神体に 9 年ぶりに再会。眼光鋭い眼差しに 迎えられ感慨無量だった。御祈祷をお願いし、家内安全商売繁盛のお札をいただくと、今年のお務めが終わった気持ちにな る。創業 219 年、設立 101 年を無事に迎えることができるの も、ご先祖様の霊に守られていると思っている。

⻑い間生きてきて、何度か大きな問題に遭遇したが、その都度 先祖の霊に守られていると感じたことが幾度もあった。神様・ 仏様はほとんど信じない私だが、先祖の霊だけは間違いなくあると思っている。先祖に恥じぬ生き方をしなければと、意を新たにしたときの山頂の空気はひときわうまかった。