本年4月、弊社は創業95周年を迎えた。いよいよ100年企業の仲間入りも目前だが、浮かれることなく次なる世紀に備えたい。100周年を意識して4年前から全力展開してきた「スーパー6S活動」、これを更に深化させ、企業理念でもある「この事業に関連するすべての人々の幸せを増す=増幸」を本当の意味で実現したいと思っている。
思い起こせば平成6年、新工場の建設を機に"器だけ新しくなっても意味がない、心身ともに新しくなりたい!"との願いを込めて「5S活動」をスタートした。
以来四半世紀にほど近い年月を一時も休むことなく続けてきたが、その間5S→ISO→超ISO→新6S→Super6Sと手を変え品を変え、マンネリを回避しながら現在に至り、その活動の甲斐あって目に見えない「社風」を変えることに成功した。「継続は力なり」の言葉通り、続けることがいかに大切であるかを身をもって体験した。 仏教用語に「修・破・離」という言葉があるそうだ。「先人の教えを修め、工夫を加えて破り、独自の境地を開くために離れる」という意味だそうだが、さしずめわが社のSuper6S活動は「破」の段階か。100周年までには、独自の境地を開き「離」を実現したいものだ。
この数年、社員に幾度となく言ってきたことがある。それは「右肩上がりの人生を目指そう!」ということ。"人生なんてそう簡単に変わるはずはない!"という者もいた。一般論ではそうかもしれないが、私はそうは思わない。よく"机の雑巾がけ"に例えた話をする。「この机を拭いておいて」と言われた人がいるとする。適当に絞った雑巾でササ~と拭き終える人と、しっかり絞った雑巾で、手垢の一つも見逃さないぞ!と"心を込めて"隅から隅まで拭き上げ、天板は元より脚まで綺麗にした人がいたとする。聞くまでもないが、どちらの人が信頼されるだろうか? 雑巾がけ一つとっても"一所懸命"の気持ちで取り組む人はキラリと光る。"あの人なら安心して仕事を任せられる"と評価される。そういう人には自然に右肩上がりの人生が開けるというものだ。だから決して難しい事ではない。やる気になりさえすれば 誰にでもできると常々言ってきた。 社内の各所に『心が変われば態度が変わる、態度が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば人生が変わる』という標語を20年前から掲げている。端的に言えば、"心が変われば回りまわって人生が変わる"ということだが、心が変わらない人は何も変わらないと言っても言い過ぎではない。
モノに品質があるように人にも品質がある。「人質(ジンシツ)」だ。"心を込めた仕事"ができる社員になって欲しいのだ。そんな人質をもった社員が集う会社になれたら、お客様もきっと「増幸ファン」になっていただけるだろう。これこそが究極の目標で、100周年までにその体制を整えたいと思っている。