先日、息子がマンションを買うため不動産屋巡りを始めた。
TVでよくコマーシャルをしているA不動産が近くにあるので、まずはそこへ行ってみたそうだ。駐車場に着くなり3名の従業員さんが足早に出てきて車を誘導、事務所への迎え入れ、担当の方の笑顔、買い手のことをおもんばかる発言 等々、とても満足したという。HPには「厳しい行動基準と高い倫理観を持ち、お客様へのサービスや質に於いても業界№1を目指す」と記載されていた。
弊社もCS活動を社を上げてやっていることもあり、そのことを当月の全体ミーティングで「皆さんもぜひ一度A不動産に行ってみて欲しい、とにかく素晴らしかった!」と発表していたほどだ。
とは言え比較のため2社目のB社を訪ね、物件を案内してもらったようだ。たまたま気に入った物件はA社もB社も扱えるようで、金額・金利・保証条件など総合的に判断してB社に決めたという。しかし感銘を受けたA社に申し訳ないという思いもあり、丁重に手紙を書き菓子折りを添えて所長宛てに送ったところ、数日後担当だった営業マンから電話があり、「なぜ私から買わなかったのか!自分は最善を尽くした!今からでもB社を解約できないか!納得いかないから今から行く!」と激高していたという。あの感動を覚えた会社の対応とは思えぬ言動に、言葉を失ったと言っていた。
「形ばかりの顧客満足」・・・この手の会社の経営者や幹部は"顧客"を"お客様"と言わずに「客」と呼び捨てる会社が多いと私は思う。"表ではお客様"、"裏では客"、このような会社の活動に"心"はない。本当のお客様満足とは、"お客様がファンになっていただけるような会社になれるよう、最善を尽くすこと"だと思う。しかし、そう思って取り組んでいるつもりでも、ふっと気づくと「自己満足」的対応になっていることがあるから、日々の啓もう活動とセルフチェックを怠らないことが肝要だ。そもそも"行った回数の二乗に反比例する"のが顧客満足度のセオリーらしい。1回目に100%満足しても、2度目は25%になるということなので、持続させるのがいかに大変かということだ!