8月1日、今年も木曽の御嶽山に登った。毎年恒例の登山(行事)で代々続けている。別に御岳教を信仰しているわけではない。実は御嶽山の頂上奥社に奉られている白川権現の青銅像は、1859年に2代目増田安次郎がご奉納したもので、御嶽山の御神体になっている。要するに先祖が奉った御神体に毎年挨拶に行っているというわけだ。
私が中学生になった頃からだから、かれこれ40回近く行っていることになる。七合目の田の原まで車で上がり、そこから往復6~7時間の登山だが、祖父や父の若い頃は1週間近くかけての登山だったそうだ。今とは比較にならない行事だったと思う。
今年は長男、三男と女房殿の4人で登った。天候に恵まれ、暑からず寒からず、ほどよく晴れていて絶好の登山日和だった。写真でも分かる通り、御神体の眼は純金製で鋭い光を放っている。今回はとても優しく見えたが、時としてとても怒っているように見えることもある。今年は楽に登れたが、勝手知ったるお山でも時として大嵐で遭難しそうになるような天気になることもあるから侮れない。
記録がないので確かな話かどうか分からないが、ご奉納した銅像・・・数年かけて川口で作り、中山道を荷馬車で下り、300人の剛力が3ヶ月かけて持ち上げたと伝え聞いている。いやはや今の金に換算したらいくらかかる事業なのか。大砲を作っていた幕末当時は途方もない財力があったらしい。
中央は、昭和18年8月父が軍に入隊する直前に、親子で御嶽山をお参りし、無事生還を祈ったときの写真。両側は祖父と祖母。