いよいよこの4月で創業90周年を迎えました。長い道のりを経て今日を迎えることができたのも一重にお客様、協力工場の皆様、そして従業員諸君の協力と、何よりも先代、先先代の並々ならぬ経営努力があったからに他なりません。まずは全ての関係者に心より御礼申し上げます。
私がもの心ついた頃(昭和40年代)、増幸は豆腐製造装置の製造を生業としておりました。当時は高度経済成長の真っただ中でしたが、増幸は過当競争の激化で収益が上がらず苦境に喘いでおりました。そんな時、新たなる活路を求め、父が開発に取り組んだのが超微粒粉砕機「スーパーマスコロイダー」でした。世界に類の無い新製品を開発するにはあまりにも非力、資金も設備も人材もない三重苦の中で、正しく"寝食を忘れて取り組んでいた父の背中"を今も忘れることができません。一つのことに拘り、諦めずにやり続ける。一切の妥協は許さず、理想を追求する姿勢こそが"ものづくり"の世界で生き残るための唯一の手法だと信じて止みません。
私も入社して30年が過ぎました。その間いろいろなことにチャレンジして参りましたが、未だ「スーパーマスコロイダー」を凌ぐほど開花したものはありません。私は100周年で完全に引退する計画ですが、残された10年を、私なりに描く「完成形」を目指し、親父に負けないよう一所懸命に打ち込む所存です。その心は「人材の育成」と「超ISO企業」の実現です。これが成し遂げられた時が「小さな大企業」の実現だと信じています。
最近思うことがあります。今"尊敬する人は?"と聞かれたら、素直に「父です」と答えるでしょう。同じ立場で、同じ気持ちで会社経営に携わってきたからこそ、今素直に言えるのだと思います。若気の至りで「親父を超えたい」と思ったこともありましたが、親父の背中はあまりにも大きく、いつも目指すべき目標です。今後とも精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
※90周年記念事業として、全員で被災地にボランティア活動に出向く予定です。また、
90周年記念マスコット「マックス」が誕生しました。どうぞ宜しくお願いいたします。