先日ISO9001の維持審査が終了した。弊社がこの「品質」に関する国際標準規格を取得したのは1999年、大企業でも取得に四苦八苦している時期だった。一つの目標に向かって全員が一丸となって挑戦し、合格した時に共有したあの達成感は今でも忘れない。
取得してから3~4年は、ISO効果を様々な場面で幾度となく実感できた。社員の士気は上がり、協力工場や取引先の見る目や対応も大きく変わった。一番大きな成果は会社の品質方針やシステム・ルール、品質保証体制や各人の責任と権限、継続的改善のプロセス等が「品質マニュアル」として明文化され体系化できたことだった。
しかし10年たった今はどうだろうか? もちろんISOに準拠した活動はできているものの、当時感じていた効果や満足感も今やそれが当たり前になっていて、ルール通りにやっているからいいんだというマンネリ現象も見える。今回の維持審査ではルールを逸脱したような指摘事項はなく、よくやっていると評価された。しかし2件の推奨事項をいただいたのも事実で、"今よりもっと良くするために"の視点で考えればいろいろ改善の余地はある。普段から「6S活動」を通して『現状維持は衰退なり』の精神を徹底しているつもりだが、表面的な改善が多かったのも事実だ。年に一度のマネジメントレビュー(見直し)に際し、ISOを取得した当時のような情熱と思い入れをもって見直しているか?と自問すると程遠い。『初心忘るべからず』… ISOを取得した時に掲げた理想や理念を再度思い起こし、もう一度全員で理解度を深めてゆきたい。
話は変わるが、弊社は2001年に「環境」の国際標準規格であるISO14001を取得した。
しかし2004年からは更新せずに独自の環境マネジメントシステムを運用してきた。当時は省エネ、省資源活動の一環で各部屋の電気の点灯・消灯時間やコピーした枚数をチェックリストで管理するなど、削減に励んだものだ。ここ数年は省エネ意識も定着し、クールビズの促進もあり真夏にあってもほとんどエアコンをつけなくなった。健康にも良い。
更に鳩山首相の「CO2・25%削減」のコミットメントに触発され、社内のすべての蛍光灯に一台ずつ点灯・消灯できるスイッチを取り付け、必要な場所だけの明かりを点けるようにした。初めはなんとなく暗く感じたが、慣れると意外に心地よくなるから不思議。
これも『初心』を忘れぬための活動と捉えている。