2010年10月、スエーデンの帰りに2日間パリに滞在した。その目的は先祖の魂(大砲)と再会するため。話せば長くなるので簡単に・・・。数ヶ月前に大砲の歴史を研究している方から増田安次郎(当家の初代)が幕末に造った大砲の実物がパリに有るという衝撃的な話を聞き、是が非でも確認しなければ!と、10月29日に訪仏した。
この大砲は1863年に長州藩が馬関海峡(現関門海峡)を航行する米仏蘭の黒船を砲撃した事件(下関戦争)の際、敗北した長州藩の大砲を戦利品として英仏軍が持ち去ったもの。そのうちの1門がフランスはパリのアンバリッド軍事博物館にあるというのだ。
地下鉄Varenne駅で降りると目の前がアンバリッド軍事博物館。正面玄関に回り込むと前庭に数十門の大砲が展示されている。吸い寄せられるように近づくと、そこにあった。長州藩の家紋がくっきり!「十八封度砲 嘉永七年春於江都葛飾別処墅鋳之」と刻印されている。嘉永7年(1854)・・・今から156年前に我が先祖が心血注いで造り上げた大砲だ。
まるで引き寄せられるが如くいとも簡単にたどり着いたのは不思議な力を感じた。
日本国内には存在しない実物が、遙か地球の裏側にあったとは、まさに歴史のなせる技としか言いようがない。先祖の魂を受け継ぐことができた、そんな気持ちになれた最高の旅だった。I shall return…近い将来、再びこの地を訪れることを心に誓った。